2009年8月18日火曜日

はじめて学ぶお金のふやし方

はじめて学ぶお金のふやし方 (Nanaブックス)

投資経験が無い人、少ない人向けに書かれた投資の本。
これから○○社の株がすごい上がるとか、金を買ったら大儲けできるという類の本ではない。
長期的にバランスよく投資して、老後の資産を築きましょうというスタンスで書かれている。
いかにもファイナンシャル・プランナーが書いたという感じがする。

アセットアロケーション リスク インフレなど、基本的な部分から解説している
分かりやすい本だと思う。
また、個別の商品知識も詳しいようで、勉強になる。

●ちょっと気になる部分も

ただ、リスクとリターンの部分に関しては誤解している部分があるようだ。
ちょっといただけない。
多分、期待収益の概念が分かっていないのだろう。

金融の用語でリターンが大きいということは、期待収益が高いことを意味する。
期待収益というのは、予想される収益の平均値のことだ。
つまり、リターンが大きい商品というのは、投資の結果高い収益が上げられる確率が高い商品を指すのだ。

しかし、著者の解説を読んでいると、違うことが書かれているような印象を受ける。
リスクが大きい商品は ばらつきが大きくなるから、上手くいくと高い収益が得られると読めるのだ。
例えば、100万円で買った金融商品が0円になる可能性も、200万円になる可能性もある。
200万円になる可能性もあるから、リターンが大きくなると主張しているように読めるのだ。

本来の意味での期待収益は全く違った意味だ。
例えば、100万円で買った商品が0円になる確率が10%、200万円になる確率が90%なら期待収益が高い投資といえる。
期待収益が180万円になるからだ。(0円×0.1+200万円×0.9=180万円)
しかし、0円になる確率が50%、200万円になる確率が50%なら期待収益が高い投資とは言えないのだ。
なぜなら、期待収益は100万円で、投資額と全く変わらないのだから。(0円×0.5+200万円×0.5=100万円)

●トータルで見れば良い本だと思います

全体的に良い本だと思うだけに、ちょっと残念な間違いだと思う。
しかし、結構大きな間違いなのも事実。
購入される方は、この点は注意した方が良いだろう。

はじめて学ぶお金のふやし方 (Nanaブックス)


年金保険や投資信託など積立投資の比較積立できる金融商品について解説しています。興味がある方は、是非。